製作著作 © 2007 Red Hat, Inc. 及び他の関連企業。この資料は http://www.opencontent.org/openpub/ で閲覧可能な公開出版ライセンス v1.0 に記載されている規約と条件に従ってのみ配布ができるものです。
次のトピックが本リリースノートに含まれます。
インストール関連の事項
機能の更新
カーネル関連の更新
ドライバーの更新
その他の更新
技術プレビュー
既知の問題
Red Hat Enterprise Linux 4.6 に関する更新の一部は、本リリースバージョンには含まれていないかも知れません。Red Hat Enterprise Linux 4.6 リリースノートの最新バージョンは以下の URL でも閲覧することができます:
このセクションには、Red Hat Enterprise Linux インストールと Anaconda インストールプログラムに特有な情報が含まれています。
既存の Red Hat Enterprise Linux 4 インストールを Red Hat Enterprise Linux 4.6 に アップグレードするためには、Red Hat Network を使用して、変更のあったパッケージを更新する必要があります。
Anaconda は Red Hat Enterprise Linux 4.6 の新規インストール、または Red Hat Enterprise Linux 4 の 最新の更新バージョン からのアップグレードを 実行するのに使用することができます。
Red Hat Enterprise Linux 4.6 CD-ROM の内容をコピーする場合は(例、ネットワークベースのインストール用)、オペレーティングシステムの CD-ROM だけをコピーするよう注意してください。補助 CD-ROM や一連の製品 CD-ROM はコピーしないでください。これらは Anaconda が正しく動作するために必要となるファイルを上書きしてしまいます。
これらの CD-ROM は Red Hat Enterprise Linux のインストールが終了してからインストールします。
Red Hat Enterprise Linux 4.6 がシリアルコンソールを通じてインストールされている場合、ログインプロンプトは出ないかも知れません。これに対する迂回策として、/etc/yaboot.conf を開いて、次の行を見つけます:
append="console=tty0 console=ttyS4 rhgb quiet"
この行で、console=tty0 と console=ttyS4 の順番が次のようになるように編集します:
append="console=ttyS4 console=tty0 rhgb quiet"
新規の NFS マウントオプション nordirplus を使用すると、今回、 マウント用の READDIRPLUS コールを無効にすることができます。
libata ドライバーは今回、SB600 IDE デバイスをサポートしています。
SB600 IDE デバイス処理の ide-汎用手法に慣れている方は、/dev/hd* エントリが、今回 /dev/sd* であることに注意してください。
samba はバージョン 3.0.25b に更新されました。これにより、 Windows 2003™ と Windows Vista™ (最近、アップストリームリリースで解決)との相互操作に影響していた幾つかの問題に対応 できます。
この更新用になされた samba への全ての改訂は、一部の 重要なコードパスの内部までに及ぶコード変更をもたらしました。これにより、バージョン 3.0.10 への逆行は不可となります。そのため、全ての samba パッケージはバージョン 3.0.25b へ再編成されています。
この再編成のため、一部のオプション解釈手法とコンポーネントの動作は随分変更されて います。これは、samba をアップグレードした後に、設定ファイルが 手動で編集されるべきことを意味します。
ldap filter のような一部のオプションと最低限パスワード長は、今回 無視されるようになりました。samba のこのバージョンへのアップ グレードの前に、samba パッケージの errata を確認して、ご使用の システムが削除されたオプションに依存していないかどうかをチェックしてください。
samba のこの更新は幾つかの機能更新に適用されています。 特に以下のようなものがあります:
より厳格な命名規則が今回、強要されます。これらの新規規則は force user、 force group、valid user、及び、 他のユーザーやグループの名前を受理するディレクティブに影響します。この更新では、ユーザー名と グループ名は完全修飾でなければなりません。
例えば、あるマシンが DOMAIN と言う名のドメインに参加した場合、 そのドメインの foo と言う名のユーザーは DOMAIN\foo と言う形式で使用しなければなりません。単に foo のみを使用すると、通常はマシンへの権限が拒否されます。
複数の passdb バックエンド用のサポートは今回、無視されることになります。 passdb バックエンド用のサポートは、サーバーへの使用価値が低いのに 一部のケースで少々問題になっていました。
複数データベースを使用するには、それらを一つのデータベースに統合します。 その後、pdbebit ユーティリティを使用して、 他のデータベースに保存してあるアカウントを移行します。
winbindd は今回、サーバーのドメインタイプを検知して、自動的に 正しいセキュリティメソッドを選択します。security = domain に 設定しても、winbindd が kerberos/ldap を使って、AD 対応として認識されているドメインへ接続する結果になる可能性があります。
ldap スキーマは今回、拡張されました。ldapsam バックエンドを使用している場合、この拡張された ldap スキーマに アップグレードして下さい。このアップグレードは下方互換です。
拡張された ldap スキーマにアップグレードする場合は、 sambaSID に指標を付けて、サブマッチを処理する ようにお勧めします。
winbindd NSS 数値表記は今回、デフォルトで OFF になっています。これは、複数ドメインコントローラ、トラスト、及びリモートロケーションが 巻き込まれている広い環境で役に立ちます。ご使用の環境が user/group 数値表記に依存している場合、オプションの winbind enum users と winbind enum groups を使用してこれをオンにすることができます。
madvise() は今回 DONTFORK と、 DOFORK をサポートしています。
オンデマンドで pagecache と slabcache を クリアする為に /proc/sys/vm/drop_caches が追加されました。
/proc/sys/vm/max_queue_depth の上限値制限が解除されています。
oom_killer は今回、メモリー不足状態のカーネルパニックを アクティブにする為にサポートされています。
smaps 機能が今回サポートされています。
i_nlink カウントが正常に更新するのを妨害していた nfsv4 link バグは修正されています。
dir_mode と file_mode は今回、 デフォルト値を持っています。
CONFIG_KPROBES は、Systemtap. 用の サポートを提供するために有効になっています。
cpuid emulation (模倣)が AMD プロセッサ用に追加されています。
カーネルソースは今回、AMD と ATI SB600 用に SMBus Device ID を含んでいます。
ATI SB700 用の追加デバイス ID が追加されました。
MMCONFIG は今回、 Intel Core 2 Duo プラットフォーム 上で、デフォルトで無効になっています。
Oprofile は今回、新規の Greyhound パフォーマンスカウンターイベントをサポートします。
/proc NUMA マップは今回サポートが あります。
SB700 SATA コントローラは今回サポートされています。
Intel 6300ESB Watchdog タイマーは 今回サポートがあります。
megaraid_sas: PowerEdge Expandable Raid Controller (PERC 6) をサポートする為にバージョン 00.00.03.13 に更新されています。
qla2xxx: バージョン 8.01.07.04 に更新されています。 これは以下の変更に適用されています:
D3 状態のパワー管理問題の為の迂回策の導入
"queue-full" 状態を処理するような改善
iIDMA 用の全般的サポートの追加
IRQ #0 の使用を今回許可
big-endian ホスト上で RSCN の今回の修復
ファブリック名内の fc_host の正しいバイト順
各種照合カウンティング問題の修復
Dell mezzanine カード上の Fibre チャンネルインターフェイスの スピード感知を今回サポート。
qla3xxx: 最新のアップストリームバージョン(v2.03.00-k4-RHEL4U6)に更新されています。これは以下のような数種の変更に適用されています:
今回 4032 チップのサポート
今回 Agere PHY チップのサポート
リセットタイムアウトの修復
RX パケット処理のクリーンアップ
パフォーマンス向上の為の NAPI コードのクリーンアップ
qla4xxx: バージョン 5.01.01-d1 に更新されています。 これは以下のような変更に適用されています:
メールボックスコマンドへのファームウェア更新を今回サポート
起こりうる NULL ポインター照合問題の修復
再初期化(デュアルポートカードに該当)の前に他のポートに完全なリセットを させる為の RESET_HA_INTR 完了アルゴリズムの更新
data_cmnd への参照の削除
IPv6 用のサポート追加
各致命的なエラー後には今回、ソフトリセットの実行
ステータスバイト内へ scsi ステータスの参入
感知キー RECOVERED_ERRORが今回正常に報告
ドライバーがアンローディングした場合も、DPC_RESET_HA は 不発生
mpt fusion ドライバーはバージョン 3.02.99 に更新されました。 この更新は特に、以下のような数種の変更に適用されています:
エラー処理の強化
ドメイン妥当性検証は、最初の問い合わせ完了時に、又は IR ファームウェアにより要求された時に デバイス単位ベースで実行
PowerPC 用サポートの追加
各 SAS コントローラは今回 1024 デバイスまでサポート可能
CSMI IOCTL 操作の強化
lpfc: バージョン 8.0.16.34 に更新されています。これは 以下のような数種の変更に適用されています:
デバイス PCI ID をベースにした hba queue depth 算出の削除
8G スピードと Saturn HBA 用サポートの追加
GID_FT 反応を全面的に処理する為の lpfc_ns_rsp の修復
ドライバーアンロード中の queuecommand パニックの 原因であるバグの修復
lpfc ビルド警告の修復
ファブリックポート上での NPort 確認の実行停止
HBA のサブシステム ID へのドライバー依存の削除
最大読み込み DMA バイトカウントを制御するためのモジュールパラメータ追加
リンクアップ上で RFF を Fabric に転送する発見論理の更新
メールボックスタイムアウト値の変更
Saturn ハートビートコマンドを今回サポート
Saturn 温度センサーを今回サポート
ファームウェアのダウンロード中に認識されるシステムパニックの原因となるバグの修正
arcmsr: Areca RAID コントローラ用サポートを提供するために この更新に含まれているドライバーです。
openib と openmpi: InfiniBand サポートを提供する為に OFED (OpenFabrics Enterprise Distribution) バージョン 1.2 に アップグレードされています。
cciss: 以下のような変更に適用する為にバージョン 2.6.16 に 更新されています:
今回の Smart Array E500 のサポート
今回の再起動通知のサポート
HP RAID クラスストレージデバイスの今回のサポート
adp94xx: AIC94XX Razor SAS コントローラを使用しているシステム用のドライバーサポートを向上する為にバージョン 1.08-13 に更新 されています。この更新は以下のような数種の変更に適用されています:
Sequencer ファームウェアの V17 から V32 へのアップグレード
上部レイヤーから打ち切られた SCSI コマンドのエラー処理の向上
デバイスのホット切断を検知するための Empty Data Buffer (EDB) タイマーイベント処理の追加
Fujitsu ドライブが検知されるのを阻止していたバグの修復
今回 smartctl ユーティリティが正常動作
結果として出る ASYNC イベントでの SATA デバイス用 EDB を ドライバーが開放
ドライバーは Inquiry、Read Capacity、 Report LUN コマンド用の不正なデータ報告を停止
s2io: Neterion Xframe-II 10GbE ネットワークアダプター用のサポートを提供するためにバージョン 2.0.25.1 に更新 されています。
cxgb3: Chelsio 10G Ethernet Network Controller をサポートする為に更新されています。
Promise SATA ドライバーは今回、PATA デバイスをサポートします。
dell_rbu: パケットモードでパケット用の物理メモリー割り当て フロアを増大する為にバージョン 3.2 に更新されています。この更新は、spinlock がパケットモードに保留されている間に kmalloc のコールされる状態の阻止もします。
lmsensors は今回、Nforce4 チップセットをサポートします。
汎用 IDE ドライバーは今回、JMicron JMB368、 JMB363、JMB366、JMB360、及び JMB361 の IDE コントローラをサポートします。
aacraid ドライバー: PRIMERGY RX800S2 と RX800S3 をサポートするためにバージョン 1.1.5-2441 に更新 されています。
bnx2 driver: 5709 ハードウェアをサポートする為に、バージョン 1.5.11 に更新されています。
ibmveth: クラッシュダンプ用の netdump 機能を有効にする為に netpoll と netconsole のサポートが追加されています。
tg3ドライバー: 一般的バグ修正の 適用と Broadcom 5906 及び 5722 チップセット用のサポートをするため、バージョン 3.77 に更新されています。
forcedeth-0.60 ドライバー: 今回のリリースに含まれています。 これは、NVIDIA MCP55 マザーボードチップセットと それに該当するオンボード NIC を使用しているお客様のために数種の重大なバグ修正に適用されて います。
amd74xx.c: NVIDIA MCP55、MCP61、MCP67、 及び、AMD CS5536 の IDE コントローラ用のサポートが 追加されています。
EMC Clariion ストレージ上で dm-multipath を使用する implicit active-active failover (ALUA) が今回サポートされています。
CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) の ユーザー名とパスワードはそれぞれ 256 文字の制限を持ちます。
技術プレビュー 機能は現在、Red Hat Enterprise Linux 4.6 サブスクリプションサービスでは機能的に完全でなく、サポートされていません。これは一般的に実稼動使用には適切ではありません。しかし、これらの機能はお客様への便宜として提供されており、広範囲の利用度を提供します。
お客様はこれらの機能が非実稼動環境では役に立つことがお判りになるでしょう。お客様はこれらが完全サポートになる前に自由に技術プレビューへのフィードバックと機能提案を提供して頂けます。重大なセキュリティ問題には Errata が提供されます。
技術プレビュー機能の開発期間中に、追加のコンポーネントがテスト用に公共使用できるようになることがあります。Red Hat では、技術プレビュー機能が将来のリリースで完全サポートになるようにすることを目標としています。
Systemtap はフリーソフトウェア(GPL) インフラストラクチャを提供して Linux システム稼動についての情報収集をより簡単にするようにします。これが、パフォーマンスや機能問題の解析に役に立ちます。systemtap の支援で、開発者は他の方法では情報収集が必要となる退屈で混乱を招く、器具調査、再コンパイル、インストール、再起動の手順をくり返す必要がなくなります。
frysk プロジェクトの目的は知的で、配布可能な常時稼動のシステムモニタとデバグツールを作成して、それが開発者とシステム管理者に以下のことをできるようにすることです:
稼働中プロセスとスレッドの監視(イベントの作成と解除を含む)
プリミティブロックの使用を監視
行き詰まり状態を検出
データ収集
クラッシュ中か不正動作中のプロセスをリストから選択するか、あるいはそのプロセス上で frysk がソースコード(又は他の)ウィンドウを開く許可をすることで、特定プロセスをデバグします。
この更新では、frysk グラフィカルユーザーインターフェイスは技術プレビューですが、frysk コマンドラインインターフェイスには全面的なサポートがあります。
GNU Compiler Collection (gcc-4.1) はこのリリースでは、まだ技術プレビューとして含まれています。 このコンパイラは元来、Red Hat Enterprise Linux 4.4 の技術プレビューとして紹介されたものです。
gcc-4.1 に関する詳細情報には、http://gcc.gnu.org/ にあるプロジェクトウェブサイトを参照して下さい。 gcc-4.1.2 の為の詳解マニュアルは http://gcc.gnu.org/onlinedocs/gcc-4.1.2/gcc/ でご覧になれます。
OpenOffice 2.0 は今回、このリリースでは技術プレビューとして 含まれています。このセットは、ODF、PDF 機能、デジタル署名と形式/インターフェイスに 関するより幅広い互換性のサポートを含む数種の改良を特徴としています。これに加えて、 OpenOffice 2.0 スプレッドシートはピボット表サポートを 強化しており、今回は最大 65,000 列まで処理することができます。
OpenOffice 2.0 に関する詳細情報については、 http://www.openoffice.org/dev_docs/features/2.0/index.html を参照してください。
autofs5 は、今回のリリースでは技術プレビューとして 含まれています。autofs のこの新バージョンは、複数ベンダー環境での 長期間存在した相互操作性問題をいくつか解決しています。autofs5 は また、以下のような強化も特徴としています。
ファイルシステム階級内のどのポイントでもファイルシステムを自動的にマウントする為の メカニズムを提供するダイレクトマップサポート
怠慢な mount と umount の サポート
新しい設定ファイル /etc/autofs_ldap_auth.conf を通じた LDAP サポートの強化
nsswitch.conf 使用の完全実装
ダイレクトマップ用の複数マスターマップエントリー
特定のマップ内容が autofs マスターマップ内に含まれるようにする マップ含有の完全実装
現時点で、autofs5 マスターマップ字句解析は、 マウントポイントやマップ仕様の中の引用文字列を正しく構文解析できません。 そのため、引用文字列はマップそのものの中に書き込む必要があります。
この更新では、autofs がまだデフォルトとしてインストール されており実行されています。そのため、autofs5 拡張機能を 使用したい場合は、autofs5 パッケージを手動でインストールする 必要があります。
autofs と autofs5 の両方とも インストールすることができます。しかし、その1つだけを自動マウントの提供に 使用する必要があります。autofs5 をインストールして、 それを自動マウンターとして使用するには、以下の手順に従います:
root としてログインして、service autofs stop を使って autofs サービスを停止します。
コマンド chkconfig autofs off を使って autofs サービスを無効にします。
autofs5 パッケージをインストールします。
コマンド chkconfig autofs5 on を使って、 autofs5 を有効にします。
コマンド service autofs5 start を使って autofs5 を開始します。
autofs5 に関する詳細情報には、以下の man ページを参照してください(autofs5 パッケージをインストールの後):
autofs5(5)
autofs5(8)
auto.master.v5(5)
automount5(8)
詳細情報には、/usr/share/doc/autofs5-<version>/README.v5.release を参照してください。
現時点では、ext2online は EXT2 ファイルシステムでは、 動作しません。
現在のカーネルは、起動時にシリアルポートへ表示する前に Data Terminal Ready (DTR) 信号を宣言しません。DTR 宣言は一部のデバイスで要求 されている為、その結果カーネルブートメッセージはそのようなデバイス上ではシリアル コンソールに表示されません。
Emulex lpfc ドライバーは /sys/class/scsi_host/host<scsi host number>/ 内に mbox ファイルを作成します。systool の ようなアプリケーションがこのファイルを読み込むと、以下のエラーメッセージがコンソールに 表示されシステムログメッセージにログされます:
mbox_read: Bad State
このメッセージは無害であり、無視しても安全です。Emulex は lpfc ドライバーの将来のリリースで このエラーメッセージを削除します。
( x86 )